森田農園の畑がある山には毎年イノシシが出ます。
特に柑橘類を植えているあたりは秋になると、毎日のように道の両側や木の根元を掘った跡があり、下手をすると道が崩れてトラックが上がれなくなったり木が倒れてしまったりもします。特に一昨年はイノシシがしょっちゅう民家の方まで下りてきて、時には我が家の裏庭で親子でいるのを目撃したり、家の前の農道をカツカツと音を蹄を鳴らして駆けて行く姿も見かけました。子供に何かあっては大変、とずいぶん心配もしました。
その時期になると鉄砲を抱えた猟友会の皆さんが数人で山に来て下さり、おーい捕まえたらしいぞ!!と父が畑を放り出して(笑)行ってしまう事も。不謹慎ではありますが、そんな風景をすんなり受け入れている自分がおかしくなったりもします。
イノシシを含めたいわゆる害獣の問題は中山間地域で農業をしている私達にはとても大きなものですが、先日お会いした方のお話を聞き、改めて深刻だなと感じました。
その方は香美郡の奥、物部村大栃の農家さん。
そのあたりではイノシシだけでなく、鹿、そして猿も出没するそうです。いくら電柵で囲っても下をイノシシが掘り、そこから鹿が入る。上からは猿が。新芽も全て食べられてしまうそうです。驚いたのはあの酸っぱいユズでさえ!・・・・お話を聞いているだけでも怖くて気の毒で悲しくなりました。頑張って作ってもあらかた動物にやられてしまうなんて。離農する方が多いのも頷けます。
「動物が食べるぶんばあは残しちゃったらえいわねえ」
取り残した蜜柑をついばむメジロを見ながら夫と話していた日々でしたが、ここまでくるとそんな綺麗ごとは言えませんね・・・。